コラム

理想のコーポレートエンジニア像と育成ポイントを紹介!

2022.02.19  |  IT コラム

情報システム部門や社内エンジニアといった呼び名に加えて、コーポレートエンジニアや、コーポレートITといった呼び方も各業界で広まってきました。

各企業が提供する商材やサービス、業務プロセス、バックオフィスにIT(情報技術)を活用する、コーポレートエンジニアが関わることが増えたからだとも言われています。

今回は、そうしたコーポレートエンジニアの理想形といえるような、仕事の取り組み方や将来性、実績を出すための能力やポイント、実務を円滑にするポイントと課題解決方法についてご紹介します。

コーポレートエンジニアのような業務について、すぐに相談したい方はサービスページをご確認ください。

1.コーポレートエンジニアとしての取り組み方と将来性

コーポレートエンジニアになる立場では、仕事への取り組み方や将来性が気になるところです。まず、それらをご紹介しましょう。

1-1.コーポレートエンジニアはITのスキルアップでキャリアアップも望める

企業内のITつまりコーポレートITの整備を考えるとき、目標を立ててそれを達成すれば、一時的には整備が終わったように見えます。しかし、時代の流れとともに既存ツールのアップデートや新たなサービス、製品が次々に生まれるものです。

そのため、コーポレートエンジニアは知識やノウハウ、スキルもアップデートしていく必要があります。併せて、コーポレートITのシステムも改良と更新が望まれます。

また、企業はコーポレートITを整備することで、新しい技術に対応し、コーポレートエンジニアという良い人材を育成することで競争力を付け、総合力を上げていくことができます。

コーポレートエンジニアは、成長の過程でビジネスとITの深い知見を得て、ゼネラリスト、つまり広い範囲の知識や能力を持つ人材になることができます。

そうすることで、将来的には、市場価値の高い経営コンサルティングや、ITコンサルティングといったようなキャリアも可能になっていきます。

さらに、今後も働き方は変化していくことが考えられ、企業内のコーポレートエンジニアのあり方、コーポレートエンジニア自身のキャリアアップの展望も拓けてくることでしょう。

1-2.コーポレートエンジニアにはWebエンジニア等のスキルが役立つ

コーポレートエンジニアという呼び名は、企業のIT環境の変化によって使われるようになっています。

主な変化は、SaaS(サース/サービスとしてのソフトウェア)、クラウドの利用で、情シスのインフラ(基盤)管理が不要になってきている点です。

一方、ITの技術力以外に、企業内商材、ビジネスモデル等にも深い理解が求められるようになっています。

併せて、新たな価値創造や、自動化、効率化のためにシステム開発、ソリューション(解決方法)を提供することが求められます。すると、従来の「情シス」では、扱う範囲が広く、必要な人材を定義しきれなくなります。

そこで、コーポレートエンジニアに適した人材は、社内サービスがWebサービスの形になってきているのに合わせ、コードを書く、ツールを内製するWebエンジニア等のITエンジニアということになります。その上で、エンジニアとテクニカルサポートができる人が望ましいとされています。

1-3.コーポレートエンジニアの役割と施策の具体例

コーポレートエンジニアの役割と施策を考える上では、自社の事情に適した形にすることが必要です。

 

各種Webサービスの企業、GMOペパボ株式会社のサイトからは、事業や拠点を拡大している事情、多様化するワークスタイルに対応する事情に合わせて、コーポレートエンジニアの役割を考察した具体例が見出せます。

コーポレートエンジニアの役割としては、積極的にアウトプットを行い、エンジニア間で成長し合える環境を作ることを挙げています。

次に、各部門や担当者の抱えるITの課題に対し、一緒に取り組むこと。そのとき、管理統制や生産性、社風、働きやすさなど各側面を考慮することも挙げています。

目標・施策としては、全パートナー、つまり社外協力者との接点も含めた社内IT基盤を求め、テレワークにしても生産性を落とさない業務環境整備の仕方「リモートファースト」を掲げています。

そして、誰でも、何処でも、安全に、成果を出せる環境を目指し、日々トライを続ける、人材を募集・配置する施策をとっています。

こうした具体例が、コーポレートエンジニアの役割や施策を考える上で参考になります。

2.実績を出すための能力やポイントはコミュニケーションにも!

コーポレートエンジニアになる立場でも、マネジメントする立場でも、実績を出すための能力やポイントは知っておきたいところです。そのカギとなる企画力やコミュニケーション能力について見ていきましょう。

2-1.社内の生産性を上げるためのポイント

コーポレートエンジニアの使命として、社内の生産性を上げることが求められます。生産性を上げるためには、次のようなポイントを押さえることが必要です。

・従業員の生産性を向上するIT面のサポートを手厚く
・従業員が安心して働けるセキュリティを確保する
・組織を横断して動けるコミュニケーションスキルを発揮する
・ID管理とシングルサインオン環境の統合運用

シングルサインオン環境とは、1つのID・パスワードで複数のクラウドサービス等にログインできる仕組みのことです。

これにより、従業員は利用するサービスごとに毎回IDとパスワードを入力する必要がなくなり、覚えておくID・パスワードが1つで済みます。

また、コーポレートエンジニアは、各種サービスを横断したパスワードポリシーの統一を図れるのと同時に、ユーザーのパスワード忘れへの対応工数(パスワードリセットやヘルプデスク対応など)を大きく削減できます。

この他にも各種ツールは開発や導入が可能ですから、上手に使えば社内の生産性を上げて行くことが可能です。

2-2.コーポレートエンジニアに必要な企画・解決能力

コーポレートエンジニアに求められる創出価値は、従来の情シスを超えた、企業の事業も含めたIT運用を促進する企画・解決能力だとする考え方も出てきています。

その企画・解決能力については、EA(エンタープライズアーキテクチャ)をもとにした考え方があります。EAとは、経営戦略とITを絡め、顧客ニーズなど社会環境やITの変化に素早く対応するための組織作りのことです。

EAを実現すると、組織全体で統一された情報、効率良い業務プロセスを運用でき、利益率を上げ、新たなビジネス価値を創出できるようになります。

この考え方では、情シスがIT視点での仕事であるのに対し、コーポレートエンジニアは、企業全体の視点でITでの貢献を求められます。よって、配備される企業では顧客ニーズや業務プロセスに対する企画力・課題認識・解決能力が求められるようになりつつあります。

2-3.幅広いコミュニケーション能力の必要性

コーポレートエンジニアを配置する上では、各部署と連携する関係で、次のようなコミュニケーション能力を持つ人材を置くことが必要です。

・コラボレーション(共同作業)
・ネゴシエーション(交渉)
・リーダーシップ

こうした能力を発揮して、次のような課題に取り組むことになります。

・ITで会社全体に関わりながら円滑な業務の実現に貢献する
・ビジネスを俯瞰して必要な業務改善をしていく
・基盤整備をしつつDX(デジタルによる変容)を推し進める
・社内の各種制度や組織の風土作りにもITで貢献する

課題に取り組む際には、自社のビジネスの特性を理解した上で、社内ITの全体像や将来像を把握することが大切です。また、全般的な技術知識や、製品や協力会社の情報も必要になります。

その上で、課題を解決する方法を企画し、部門間の調整をします。併せて、解決の選択肢を洗い出し、選択肢に合った複数のクラウドを使い分けながら、課題の解決に向かっていくとよいでしょう。

3.コーポレートITの実務を円滑にするポイントと課題解決方法

コーポレートエンジニアが担うコーポレートITの実務では、円滑に進めるポイントや課題解決方法が必要になります。どのようなものか把握して備えておきましょう。

3-1.情報システム運用と資産管理のポイント

コーポレートエンジニアを配して情報システムを運用する上では、次のようなポイントをふまえていくことが必要になってきています。

 
・業務プロセスやバックオフィス業務の自動化や省力化を進める
・Google Workspace(ビジネスツール)などで社内ITを構築・運用する
・各種ツールやクラウドサービス等の新規ソリューションを導入していく

また、IT資産管理のポイントとしては、

・アカウントやアクセス権限の管理
・SSO(シングルサインオン:一度のログインで複数のシステムを使える環境)の実装
・オフィスのIT機器の運用管理(電話・プリンター・ネットワーク・入退室管理等)
・会社資産のITアセット(IT資産)管理(PC・スマートフォン・ソフトウェアライセンス等)
・Windows OS・Mac OS X混在のエンタープライズ(大規模システム)環境での端末管理
・ゼロタッチデプロイ(セットアップや各種設定)等を効率化するツールの導入・運用

等を着実に行うことで、業務に支障が出るのを低減することができます。

3-2.コーポレートITのやりがいと直面する課題・対策

コーポレートエンジニアが担うコーポレートITでは、クラウド化など各種ツールの進歩が著しく、次のようなやりがいも見出せるようになっています。

・広く商材・サービス等対外的な未開拓の領域の開発に関われる
・会社全体の各部署と仕事をするため組織や業務プロセスを知ることができる
・様々なテクノロジーやツールに触れることができる

こうしたやりがいを感じると、日々高いモチベーションで仕事に向き合えるでしょう。

一方で、次のような課題に直面し、対策が必要になるという側面もあります。

・経営方針次第ではコストセンターというコスト低減の対象だと見られる
・予算が低いと社内的に十分な貢献ができずストレスフルになる
・プロダクト開発の方が魅力的に見えるため相対的に不人気になる場合もある

こうした課題への対策では、何よりも組織全体のコーポレートITへの理解が不可欠です。また、商材開発や企画力でも貢献するコーポレートIT部門を戦力と捉えた対策を打つことが重要です。

その上で、コーポレートIT部門と各部署が共創して業務プロセス効率化の対策を打てば、組織全体の競争力を強化し利益を上げる道が切り拓けます。

3-3.コーポレートエンジニアとして重要なスキル・ツール・人物像の一例

コーポレートエンジニアは、組織が拡大したり、フルリモート環境に移行したりする状況では、VPoE(エンジニア部門マネージャー)の元で、SaaSや各種サービスの導入も求められます。

あるいは、様々なITサービスを組み合わせ、プロダクトや会社をよりよくデザインすること、個人情報保護やセキュリティの継続的な試行錯誤が求められます。

各種ビジネスツールを開発するNota株式会社では、そのために必要なスキル・ツール・人物像の参考になる例として、次のようなものを挙げています。

必須スキル

・十分なITリテラシー(理解・対応)スキル
・社内外と調整できるコミュニケーション能力
・業務フローを構築する能力

歓迎スキル

・コーポレートITの経験
・システム導入の企画・立案の経験
・プロジェクトマネジメント経験
・GAS(Google が提供しているプログラミング言語)の開発経験
・AWS(アマゾンのクラウドサービス)の運用管理経験
・オフィスネットワークの構築・運用経験

利用ツール

・1Password:パスワード管理
・Slack:ビジネスチャット
・Google Workspace:ビジネスツールセット
・Gyazo:スクリーンショット共有
・Scrapbox:ビジネス用テキストツール
・Helpfeel:FAQシステムツール

 

求める人物像

・プロダクトの成長に貢献するよう自ら仕事を作り実行する
・プロダクトの将来像を考えて行動できる
・ITにまつわる企画ができる
・コミュニケーションが得意

ツール等は企業ごとの事情に合わせて選ぶとして、上のような例を参考に、必要ならアウトソーシングの利用も考えて、組織の各業務体制を構築・強化していくとよいでしょう。

引用:急成長ベンチャー企業/1人目のコーポレートエンジニア募集 – Nota株式会社

 

 

4.まとめ:「コーポレートエンジニア」のような業務に関する相談承ります

今回は、コーポレートエンジニアの仕事の取り組み方や、ITのスキルアップでキャリアアップも望めること、Webエンジニア等のスキルが役立つこと等をご紹介しました。

また、実績を出すための企画力やコミュニケーション能力、課題解決方法、必要なスキルやツール等についてご紹介しました。

これらが、コーポレートエンジニアの業務や体制づくり・効率化の参考になれば幸いです。

日乃出工業のソリューションでは、主に以下の3つを行っています。

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