コラム

バックオフィス効率化への3つのフレームワーク

2022.07.23  |  コラム 業務管理

テレワークや働き方改革の波が来るなか、新しいビジネスツールやサービスも次々に登場し、バックオフィスの業務改善に取り組む好条件が整っています。

そこで今回は、バックオフィスの業務改善のアイディアを実現する各種ツールやアウトソーシングについてご紹介します。

また、バックオフィスの業務改善の検討に役立つフレームワークの数々、業務改善の取組みで効率化を実現した事例をご紹介します。

バックオフィスの業務改善を検討しておられる方には、neconoteがサポートいたしますので、サービスページからお申し込みください。

 

1.業務改善のアイディアを実現する方法

バックオフィスの業務改善方法には様々な種類があります。それぞれ効果の違いがあるので、課題に見合ったものを選ぶ参考にしてみてください。

1-1.アウトソーシングを活用する

バックオフィス業務に人手を多く割いている、あるいは専門知識を持つ社員が少なく業務が属人化している場合は、業務改善にアウトソーシングを利用されてはどうでしょうか。

アウトソーシングのサービスは、総務・経理等の多彩なノウハウや知見をもとにしています。したがって、ノウハウ等も聞きながらアウトソーシングに託した方が、業務の効率化やコスト削減を実現できます。

そうすることで、自社の社員の時間に余裕ができ、コア業務や課題の検討に集中できます。そこから業務改善や、企業の競争力強化につなげることも可能になります。

1-2.各種ツールを利用する

・クラウドサービスの利用

クラウドサービスもツールの一種と見なすと、勤怠管理のクラウドサービスで、従業員の勤怠情報の管理・給与計算・年末調整業務等を行うようなことが、各種のクラウドサービスで可能になります。

クラウドで連携しているため、テレワークでのバックオフィス業務、ペーパーレス化、複数の担当者での同時進行・共有等も実現できます。

・RPAツールの利用

RPツールを利用すると、定型的・日常的な業務の自動化が可能になります。データ入力やチェック、分析、社内システムと業務アプリの連携も可能です。

また、人為的ミスの削減、作業時間の短縮につながります。併せて、24時間稼働すれば、人的労力を減らし、作業の進行を大幅に早められます。

・チャットボットの利用

社員からの問い合わせ対応も、チャットボットのシステムを使えば、社内ヘルプデスクとして人に代わって回答可能になります。人は複雑な質問にのみ回答すれば済むので、業務量を削減できます。

1-3.ワークフローシステムを利用する

ワークフローシステムとは、各種の申請等の手続きを電子化するシステムで、次のような業務改善が可能になります。

・業務手続きの効率化

紙ベースで起こるような入力ミス等を回避し、手続きを効率化できます。

・ワークフローの可視化

業務の流れ(ワークフロー)が可視化され、稟議等の承認状況を把握でき、滞留の特定や解消もしやすくなります。

・問い合わせ対応の迅速化

過去の申請等をデータとして保存でき、それらを検索し、参照できます。そのため、これらのバックオフィス部門への問い合わせ対応を迅速化できます。

・テレワークの実現

申請をペーパーレス化することで、テレワークの状況でも在宅での申請手続きが可能になります。

・電子契約・電子帳簿システムとの連携

各種契約書類を電子化する電子契約システムや、帳票書類を電子化する電子帳票システムがあります。これらをワークフローシステムと組み合わせると、取引先との業務手続きも電子化することができます。

このように、バックオフィスの業務改善が可能になり、コスト削減も実現できるでしょう。

2.業務改善のフレームワーク3選

改善が必要な業務を洗い出したい場合は、次のようなフレームワーク(枠組み)で業務プロセスを見直す手法が有効です。

2-1.BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)を使用する

BPMNは「Business Process Modeling Notation」の略で、業務プロセスを図式にする表記法のことです。

業務プロセスは企業間をまたいでいることが多く、業務内容やフローを把握するのが困難です。そこで、BPMNで図式化すれば、把握しやすく、システム導入の際にも検討材料になります。

図式は、プロセスの始点や終点を示す「イベント」のオブジェクト(部品)や、業務内容等を示す「アクティビティ」、意思決定で流れを分岐させる「ゲートウェイ」等を組み合わせて描きます。

下記参照先にフロー作成の説明がありますが、やや複雑でフロー作成ばかりに時間を割くと、本来の効率化という目的から外れかねません。

初めてBPMNに取り組む場合は、おおよその作り方の要領をつかみ、改善が必要と常々感じている業務フローだけを対象に図式化し、分析、改善の施策をするくらいで始める方が、取り組みやすいでしょう。

引用:業務生産性向上や市場環境の変化に対応できる経営・業務を実現するために活用される BPM の紹介 1/IPA

 

2-2.ECRS(イクルス)を使用する

ECRSとは、業務改善に取り組む「視点」と「順序」を表すフレームワーク(枠組み)のことで、次のような意味があります。

 

Eは「Eliminate(エリミネート)=省く」という意味で不要な業務やルールを挙げること

Cは「Combine(コンバイン)=結合」という意味で、異なる業務をまとめること

Rは「Rearrange(リアレンジ)=入替」を表し作業の順番を変え業務を整理すること

Sは「Simplify(シンプリファイ)=簡素化」を表し業務を単純化すること

ECRSの順に業務を改善していくと、不要な業務を省き、効率化させて余裕ができます。そこで次の課題や新規事業に取り組むことが可能になります。

「E」の例でいえば、不要な会議をやめて作業時間を確保し、残業時間を削減する、というようなことができます。あるいは、ペーパーレス化によって、印刷用紙や複合機のトナー代のコストを削減できます。

「C」の例でいえば、似通った作業をまとめて行うようにすれば、時間の節約になります。

 

ECRSは図式化というより、下図のような、表にする・分類するイメージでシンプルに作成するだけで十分です。何より整理・効率化の検討が重要です。

引用:ストーリーで学ぶ要件定義実践入門/IPA

2-3.バリューチェーン分析を使用する

バリューチェーンとは「価値の連鎖」という意味です。バリューチェーン分析とは、各事業活動を機能ごとに仕分け、付加価値を生む機能を分析して、業務改善を検討する枠組みです。事業戦略を考えるのに有効で、広く活用されています。

また、どの事業活動に問題があるのかも明確にできます。事業活動の業務フローのつながりか可視化できるので、問題箇所の特定や改善の施策の検討が容易になります。

図式化する際には、付加価値のつながり、顧客との接点、業務フローのつながり、パートナー各社のつながり等をつないで示します。バリューチェーン分析図のイメージは下図のようなものです。

引用:データ利活用における重要情報共有管理に関する調査 調査実施報告書/IPA

3. 業務改善の取組みで効率化を実現した事例

業務改善方法を選ぶとき、実効性が出た事例を見ると、直面している課題に適しているかを見極めやすくなります。ここでは5つの成功事例をご紹介します。

3-1.マニュアル化で効率化した事例

業務をマニュアル化すると、生産性の向上、属人化の解消で業務改善に役立ちます。

マニュアルには、業務の目的や概要、具体的な手順やコツ、トラブルの対処方法等をまとめるようにしました。図や表、写真、動画を加えて、理解しやすくしています。

マニュアルを共有すれば、新入社員も短期間で正しく仕事を理解し、すぐに業務を行えるようになります。改善点やノウハウ、変更点もマニュアルで更新し、共有していくと、ノウハウの属人化も防げました。

また、属人的なオリジナルルールができにくくなり、共有するメンバー全員の生産性が上がり、業務改善や業績向上も可能になりました。

このようなマニュアル化の説明と事例が、以下の富士通ラーニングメディアのサイトにあるので参考にしてみてください、

引用:【導入事例】株式会社JALマイレージバンク様|KnowledgeSh@re|富士通ラーニングメディア

3-2.アウトソーシングで効率化した事例

人手のかかる作業をアウトソーシングサービスに委託することで、業務を効率化した事例をご紹介します。

日系メーカーでは、月末月初の繁忙期とそれ以外の閑散期があり、アウトソーシングを利用して、繁閑に合わせて人材配置の調整を実現したところがあります。

併せて請求書入力や購買申請の確認をアウトソーシングでこなせるようになり、コストの最適化を果たしました。また、経験豊富な人材を活用でき、業務品質も安定してきています。

外資系医薬品メーカーでは、経理事務の業務をアウトソーシングに委託し、売掛金・買掛金の処理を効率化し、年間1,000万円以上の経費を削減したところがあります。

新人教育も不要になり、経理管理システムや支出管理システム、固定資産管理システム等、業務システムとも連携できています。

引用:経理業務のアウトソーシングでバックオフィスが大きく変わる! | 人材派遣・人材紹介のマンパワーグループ

3-3.各種ツールで効率化した事例

各種ツール・クラウドサービス関連では、クラウド型RPAツールで経理データの集計を自動化し、業務を効率化した事例をご紹介します。

経理データはスプレッドシートから自社のクラウド会計に連携していたので、ウェブ上で集約できるクラウド型(SaaS型)RPAツールが適していました。

クラウド型RPAツールは、どのパソコンでも同じ条件で開けるので、パソコンを会議室や他のメンバーの隣に持って行って、RPAツールの表示を見ながら共同で分析・検討することも簡単に行えます。

経理部では「複数のデータを集めて判断する」作業が多く、判断の前工程であるデータの集計作業を自動化しました。

RPAツールで、照合・分析に使う前処理・集計作業はすべて自動化でき、社員はより付加価値の高い判断・施策・実行に集中することが可能です。

また、RPAツールの利用によって、属人化していた業務を他の社員に一般化することも実現しています。

引用:導入事例:RPAツール Robotic Crowd(株式会社マネーフォワード)|ITトレンド

3-4.チャットボットで効率化した事例

問い合わせ自動対応のツール、チャットボットで効率化する例としては、物流企業でバックオフィス部門へ問い合わせが集中するので、対応を効率化したい、というケースがあります。

具体的には、担当者が離席していると即答できないとか、回答者によって回答内容がばらつくということがあります。

こういう場合に、チャットボットを導入すると、効率化、省力化を図れます。

チャットボットを最初の問い合わせ先に指定し、回答内容や関連ワードの細かな設定により、結果として導入から3か月で社員満足度を73%まで伸ばせました。

また、導入から3か月で、平均月1,600件の高頻度の利用を達成できました。基幹システム関連では、問い合わせ数が半減しました。

という成功事例が以下のRICOH Chatbot Serviceのサイトにあるので、参考にしてみてください。

引用:バックオフィス業務改善のポイントと事例|RICOH Chatbot Service

3-5.ワークフローシステムで効率化した事例

ワークフローシステムはバックオフィス・総務関連の申請業務等を電子化するシステムです。

毎月大量の総務・バックオフィス関連の申請業務が紙で行われていると、バックオフィスの業務負担の増加や、申請業務の属人化も生じてしまいます。

ワークフローシステムの導入で申請業務を電子化すると、バックオフィス業務の標準化と効率化が可能になります。また、申請の場所や時間の制約が解消され、働き方改革も促進できるメリットがあります。

このような株式会社テレビ朝日の成功事例が以下のリンク先にありますので、参考にしてみてください。

引用:株式会社テレビ朝日 様 ワークフローシステム導入事例 | 株式会社エイトレッド

4.まとめ:「バックオフィスの業務改善」に関するご相談を承ります

今回は、バックオフィスを効率化する業務改善方法として、アウトソーシングの利用やクラウドサービス、RPAツール、チャットボット、ワークフローシステムについて解説しました。

また、業務改善成功のカギとなるBPMNやECRS、バリューチェーン分析といったフレームワークによる分析と改善手法についてもご紹介しました。

マニュアル化やアウトソーシング、クラウド型のRPAツール、チャットボット、ワークフローシステムによる業務改善事例も参考にしていただけると幸いです。

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