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コーポレートIT実現の方法と要件

2022.01.27  |  IT コラム

情報システム部という呼び方も定着し、発展している一方で、コーポレートITという、主に社内IT部門を指す呼び名も広まっています。

業種や企業の提供する商材やサービスにITが関わっていると、商材やサービス業務に関わるビジネスITと、社内IT業務担当のコーポレートITとに分けるような位置づけもされるようになっています。また、社内IT業務をアウトソーシングするような形も見られます。

今回は、そのようなコーポレートITの仕事のあり方や、実現のための各種の方法、コーポレートIT業務に必要な要件やスキルなどについてご紹介します。

情シスのアウトソーシングについて、すぐに相談したい方はサービスページをご確認ください。

1.コーポレートITの社内での位置付けと仕事のあり方は?

コーポレートITを社内で構築する際は、その位置づけやあり方を知って考える必要があります。どういう形がよいか、そのあり方を見ていきましょう。

1-1.コーポレートITとビジネスITの理想的なあり方

はじめに、企業内でのコーポレートITやビジネスITの位置付けについて、よく採られている一例をご紹介します。

まず、ビジネスITは社外の顧客・マーケットに接点を持つ情報システムの基盤・サービス自体と位置づけます。一方、コーポレートITは社内業務や人材・備品・収支に関わる情報システムを指すことにします。

ビジネスITの目的は、ビジネス自体の生産性向上や新しいビジネスモデルの構築です。ときにAIやIoTを絡めながら、主に事業部門で担います。

一方、コーポレートITの目的は、社内業務の生産性を高める統制・効率化です。主に生産現場やバックオフィスで担います。

ビジネスITはクラウドやモバイルなどの新しい技術で提供されます。

RPAなどは、現業部門の効率化を促進するのに利用されています。また、コーポレートITにおいてもこうした技術で業務の効率化が可能です。

人材が不足している場合は、とりあえず社内IT業務をアウトソーシングする方法もあります。

1-2.コーポレートITを担うコーポレートエンジニアの仕事内容

コーポレートITと共に「コーポレートエンジニア」という呼び名もよく使われます。

以前は「情シス」「社内SE」などの呼び名でしたが、最近は望まれる役割が変わり、呼び名も変わっています。

ITエンジニアが多い企業では、顧客向けのIT業務と、社内のIT業務がそれぞれ動いているため、社内を担当する「コーポレートエンジニア」や「コーポレートIT」という呼び名が普及しています。

コーポレートエンジニアは、社内IT全体を考えて、課題解決について企画し、関連部門に複数のクラウドやリソースの運用を提供します。そして、コーポレートITの予算・ 実装・運用・サポート・検証・改善という一連の業務を推進します。

その過程では、ネゴシエーションなど、様々なコミュニケーションが必要で、さらに広範な技術や製品にも詳しくなければなりません。そして活動を通して周囲から頼られる存在となっていく職種です。

1-3.情シスとコーポレートITの違いは開発の外注志向と内製志向

情シスとは、情報システム部の略で、企業の業務用サーバーやネットワーク、 パソコンなどを運用する部署のことです。

クラウドサービスが普及する前からシステムを社内で立案して構築するのが一般的でした。クラウドに対し、社内で構築するシステムは「オンプレミス」と呼んでいます。

技術的には、情シスはレガシーシステム、つまり旧来のシステムが多いのに対し、コーポレートITは近年の発想で、レガシーシステムは少なめで、クラウド系のサービスを使います。オンプレミスはあまり選択肢に入れない傾向です。

コーポレート ITの領域は、アプリ、インフラというシステムの基盤ハードウェア・サーバー、ヘルプデスクという、経理や法務など社内業務のITサポートなどです。

一方で、社内IT業務をアウトソーシングする考え方もあります。

仕事の仕方としては、情シスは開発を外に投げることを前提としますが、IT系の会社ではサービス自体を社内で作るので、社内システムもコーポレートITとして内製する傾向です。

2.コーポレートITを実現する各種の方法

情報システム部を組織する時代から、ITの進歩を経て、コーポレートITのあり方も企業ごとに様々な形に発展しています。その具体例を見ていきましょう。

2-1.コーポレートITの具体的な仕事内容と持つべきスキルは?

最近は一部で情報システムの分野をコーポレートITと呼ぶようになり、各業界や企業のステージ、経営層のITリテラシーによっても捉え方が違います。

コーポレートIT担当は、プロダクト開発以外の、以下のような社内IT業務を担当します。

・システム導入とFit/Gap(機能の過不足)分析
・各種機器・ソフトウェア等・IT資産の管理
・社内ネットワーク・アカウント管理
・端末キッティング(会社独自の初期設定)
・PマークやISMSなどの認証取得や啓蒙活動等のIT監査対応
・ベンダマネジメント(開発者管理)や予算管理
・セキュリティ計画の立案・実行

また、コーポレートIT用システムも発展しており、テレワークや、SaaSというクラウド型ソフトウェアサービスを導入するなら、そのスキルも必要になります。

2-2.情シスをコーポレートエンジニアとコーポレートITに分ける考え方

コーポレートITのあり方は、急成長するWeb系の分野ではさらに変化している例もあります。クラウド型ソフトウェアサービスなどの会社では、情シスの体制をコーポレートエンジニアとコーポレートITの2つのポジションに分けていたりします。

分けたうえで、コーポレートエンジニアは社内システムの開発・改善業務を中心に行う、コーポレートIT担当は各部門のITサポート業務を行うようにしています。

IT統制やセキュリティの課題はコーポレートエンジニアが担うとして、コーポレートIT担当は、各部門が本来の仕事に集中できるITサポートを提供します。

また、コーポレートIT担当は、急成長する会社の場合、ルールや制度が変化するので、必要に応じて迅速にシステムを拡張することも求められます。

2-3.コーポレートIT担当部署の目的と具体例

SNSサービスを提供するLINEグループでは、コーポレートIT担当部署の具体例を公開しています。

コーポレートITチームでは、一般的なバックオフィス系システムの企画・構築・業務支援を行います。

この事例の公開時には、ドキュメント管理用の情報共有ツールConfluence、通信用にZoomを導入したり、顧客管理や営業支援のシステムとしてSalesforceやkintoneなどを導入したりしていました。

自社で注力したい採用システムはスクラッチ開発、つまりオリジナルで開発し、代わりに勤怠システムなどはアウトソーシングにするという、使い分けをしています。

また、OutSystemsのような高速開発ツールで業務システムを超短期で開発し、業務改善を加速していました。

こうしたツールなどの運用・導入の仕方は、似通った業種では参考になる部分が大きいでしょう。

 

引用:

3.コーポレートITの実現に必要なスキルの具体例

コーポレートITのあり方を見てきたところで、その構築に必要な要件やスキルも知っておきたいところです。各企業の取り組みを参考にして、考えてみるのもよいでしょう。

3-1.コーポレートIT担当者に求められるスキルの具体例

コーポレートIT担当者は、IT系企業では、どんなスキルが求められるのでしょうか。例として株式会社アカツキが公開している案内を見てみましょう。

そこでのコーポレートITチームの役割は、メンバーへのセキュアな環境の提供など、一般的なものです。

これを実現するために次のスキルが求められます。

・システム間の連携を考慮した全体最適の設計を行う
・関係各所と協力して課題の発見と解決を進める
・投資対効果が最大化されるシステムの形を明確にする
・ゼネラリスト : コーポレートITに強く全体を俯瞰した設計運用ができる
・スペシャリスト : 専門性を持ちベストプラクティス(最善の方法)をとれる

これらはIT系以外の業種でも不可能ではなく、コーポレートIT実現の参考になるでしょう。

 

引用:

3-2.採用情報に見るコーポレートIT担当者に求められるスキル

企業のコーポレートIT担当者の採用情報を見ると、その業種のコーポレートIT運用のポイント、担当者に求められるスキルの参考になります。

バックオフィス業務用クラウドの人事労務ソフトを提供する株式会社SmartHRの例を見てみましょう。

そのコーポレートIT部門の業務内容は、社内利用ツールの運用など一般的なものです。そして、必須要件・スキルの中で目を引くのは

・チャットツールの利用経験

(例:Slack / ChatWork / GoogleChat / Teams / LINE WORKS 等 )

・海外SaaSの導入、利用に不足しない程度の英文読解力

などです。こういったところが、自社のコーポレートITの運用を考える上で参考になるでしょう。

 

引用:

3−3.Webサービス業でコーポレートIT担当者に求められるスキルの事例

Webサービス業のコーポレートIT担当者に求められるスキルはどんなものでしょう。

ネットショップ作成サービスを提供するBASE株式会社の事例を見てみましょう。

そのコーポレートIT部門は、他業種と同様な役割を担っています。そこで必須スキルとされている中で、注目されるのは

・各種クラウドサービスの導入・運用経験
・クラウドネイティブな(クラウドを徹底的に活用する)環境でのコーポレートIT運用経験

などです。また、歓迎スキルにも注目されるものがあり、

・スクリプト実装経験(GAS、bat、Shellなど)
・情報セキュリティ関連規程の策定や整備経験
・ITコストの予実管理経験
・中長期のIT戦略策定経験

などが、自社のコーポレートIT部門で備えるべきスキルとして、参考になります。

 

引用:

4.まとめ:「情シス」・「コーポレートIT」に関する相談を承ります

今回はコーポレートITの社内での位置づけやあり方について、参考になる具体例をご紹介しました。クラウドサービスなど、便利なITが増え、今後もあり方は進歩していきます。

また、ITの進歩を経たコーポレートITの具体例、その構築に必要な要件やスキルもご紹介しました。

これらが、コーポレートITの運用体制を整えるのに参考になれば幸いです。日乃出工業のソリューションでは、主に以下の3つを行っています。

1.リスク分散が可能になるBPO業務の標準化
2.業務の最適化が図れるオペレーション最適化
3.生産性を高める業務の種別・優先順位付け

日乃出工業では、他にもITインフラの整備やアウトソーシングのご提案も承っております。IT全般に関するお悩みがございましたら、ぜひ日乃出工業へご相談ください。

 

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