経営管理とは何?ヒト・モノ・カネの観点から3つのポイントで解説!
経営管理が会社として確立できていないと、多くの機会損失を出しているかもしれません。
経営管理は、会社としての運用フローを最適化し、目標に向けた経営戦略の実現を目指す機能を持ちますが、どのように進めればよいのか理解しているスタートアップやベンチャー企業は、多くはありません。
経営管理は、ヒト・モノ・カネの観点から基本に立ち返ることでもあるので、急激な成長に伴い組織が肥大化している少人数の会社には必要不可欠なことだと言えます。
今回は、企業の経営管理をうまく行ない目標を達成するために、基本的な知識を紹介します。
目次
1.そもそも経営管理とは何か
経理管理とは何か理解を深めるところから始めましょう。経営管理とは、企業が目標達成をするうえで、業務の統括を行なうことを言います。
会社単位や各部門単位で行なわれる手法で、比較的中規模以上の企業で展開されます。目標達成というと、売上や利益を連想しますが、社員の給与、経理計算、労働環境の整備など細部にも範囲が行き渡ります。
企業の目標達成のためには、各部門や従業員の意識統一が重要であり、経営管理によってその方向性を統一していきます。
1-1.経営戦略との違い
似たような言葉に「経営戦略」「経営企画」がありますが、全く異なるものです。経営戦略とは、企業が目標を達成するための中長期的な方針や計画のことを言います。
経理管理は、戦略に則って行なわれるもので、経営戦略が決まっていなければ、経営管理や経営企画ができません。
経営戦略には、目標を達成するためにはどのようなステップを踏んで達成することができるかなどを盛り込んでおり、途中のステップで進捗を管理できるようになっています。
1-2.経営企画との違い
経営戦略が中長期的な戦略立案で、経営管理が各部門の管理であれば、経営企画は、戦略立案の実行にあたります。戦略立案の実行では、中長期的な経営計画に基づく、マーケティング戦略の立案、協業調査、業務の遂行をします。
スタートアップやベンチャー企業の場合は、幹部陣が経営企画と経営管理を担っている場合が多く、規模が大きくなってくると幹部陣だけで着手するのが難しいです。
そのため、急成長をしているスタートアップなどは、企業規模が大きくなる前から、経営企画が実行できる人材を育成することが重要といえるでしょう。
1-3.経営戦略→経営企画→経営管理3つの連携が重要
経営をする上で「PDCA」という言葉がよく使われます。「Plan=企画」「Do=実行」「Check=点検」「Action=改善」という意味ですが、
一般的には「Plan」と「Do」を経営企画が、「Do」と「Check」を経営管理が担当しています。目標達成のためには、企画や実行がカギを握りますが、実行後の振り返りと改善をしなければ、実現できないかもしれません。
経営戦略で大筋の方向性を決めて、経営企画が具体的なアクションに落とし込み実行、経営管理がチェックし、各部門の統括を行なうといった形で行なわれます。どの要素も重要でお互いに連携しあうことが大切です。今回は3つの中でも経営管理について紹介します。
2.経営者なら必ず知っておきたい3つの経営管理
経営管理の概要を理解したところで、経理管理の5つの種類について解説します。それぞれの内容を理解することで、適切な管理をしましょう。
2-1.ヒトの管理(人事管理・労務管理)
人事労務を担う「ヒト」の管理は「人」が相手なので、繊細なマネジメントが必要になります。
人事管理では、それぞれの業務をどの従業員が担当しているのか、どの業務にどんな人材が必要なのか把握します。そして、経営計画に基づいて、採用活動、人員配置、人材育成、人材評価など、どれくらいの人材を新たに採用すべきかを考えていきます。
売上には直接関係しないですが、ノンコア業務といって間接的に売上や利益に影響を与えるため、企業の中でも重要な仕事といえます。
また、人事管理は人材の必要性などを重要視するものに対し、労務管理では、主に企業全体の環境を整備するために行なわれるもので、従業員満足度を上げること管理内容となります。
例えば、勤怠管理、社会保険などを従業員がスムーズに利用でき、コンプライアンスや就業規則を全員が守るような状態が理想です。
広義の意味では、取引先や協業先も含まれます。関係社も「ヒト」なので、関係が良好でなければ、売上に影響が出てしまいます。企業活動でも重要な資源であることから、人を大切にすることが会社経営の大原則であると言えるでしょう。
近年、人材不足が懸念される日本企業にとって人材確保は大きな課題となっており、優秀な人材をどのように確保するかは会社経営を左右すると言っても過言ではありません。そのためにも、人材確保、確保した後の働きやすさの環境整備は重要だと言えるでしょう。
2-2.モノの管理(生産管理・販売管理)
生産や販売における「モノの管理」は、製品そのものだけでなく、それらを製造する機械や、販売に必要な設備まで、あらゆる「モノ」が含まれます。
モノの管理に関する業務は幅広く、需要予測、生産計画、購買計画、調達実施、生産実施、品質管理、在庫管理、工程管理などがあります。
モノの管理は業務量が多く、複雑であるため、徹底した管理が難しい傾向にあります。かといって、企業の利益に直結する業務であるため、手を抜くことはできません。
重要なのは、マーケティング調査、顧客からのクレーム対応、新製品の開発をしっかりおこないあがら、低コストで高品質なモノを作り、顧客の満足度を高めていくことです。
また、サービス業などの無形商材の業種では、データで納品するまでの事務処理スピードユや正確さの強化が考えられます。同じモノを提供したとしても、顧客に行き渡るまでのスピードも重要です。
2-3.カネの管理(財務管理)
最後に企業経営には、会社が存続し続けるための体力となる「財務面」が大きなカギを握り、カネがなければ、モノやヒトの経営管理も満足にできません。
経理と連携することで、商品のコストや人材確保の費用対効果など、効率的な利益確保に向けた手段も経営管理の一つです。
具体的には、決算書の作成、財務分析、キャッシュフローで流れの把握、節税効果など税務的な観点まで、経営数字にに関する全ての流れを網羅的に把握します。
資金や資産に関することを管理し、無駄があった場合には、コストカット、チャンスがあれば積極的な投資を行なえる状態にすることが大切です。
たとえ、スタートアップやベンチャー企業のように急成長をしていたとしても、企業を運営するためのお金が尽きた場合「黒字倒産」を迎えてしまう状況も考えられます。
経営者の中には「経理は利益を生まない」といって営業活動を優先させてしまう経営者もいます。特に調子がいい時ほど管理をしっかりおこない、数か月、数年後に向けて財務面での対策を打ちましょう。
3.まとめ:まずは現状の課題把握から
今回は、経営管理にする基本的な考え方から「ヒト・モノ・カネ」に関する管理についてお伝えしました。
経営管理では、決められた計画に基づいて、適切に遂行できているか管理していきますが、スタートアップやベンチャー企業のように急激に規模が大きくなったりすると、息詰まるケースもあります。
企業の急激な成長に経理管理が追いついておらず、どこから手を付けていっていいか分からない方も多いはずです。そのような場合は、今一度、経営における課題が「ヒト・モノ・カネ」においてどこにあるのかしっかり把握し、改善方法を探ってみると良いでしょう。
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