コラム

2025年の崖を乗り越える!業務管理の効率化とシステム活用

2021.01.30  |  コラム 業務管理

「2025年の崖」で業務管理はどうしていくべき?効率よく管理するシステムも併せて解説

経産省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」という調査データがあります。業務管理のDX化が遅れることで、日本経済に大きな損失をもたらすということですが、私たちが働いている業務管理は今後どのように変化していけばよいのでしょうか?

業務管理をテーマに担当者ができることを解説します。

 

1.経産省が恐れる業務管理のDX化遅滞による「2025年の崖」

出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」

経済産業省が2018年9月に「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」を発表しました。

このレポートでは、デジタルフォーメーション(DX)に対する日本企業の取り組みについて言及しており、もしDX化が進まなければ「2025年以降、最大で年間12兆円もの経済損失が生じる可能性がある」と記載しています。

このレポートが発表されたのは新型コロナウイルスが流行する前の話であり、テレワークや業務効率などのDX化が進んでいない企業が多ければ、経済産業省が予想する損失はさらに広がる可能性があるとのことです。

2.業務管理のDX化が進んでいない理由は「人材不足」

経済産業省は、業務管理のDX化が進んでいない最大の原因の1つに「既存システムの老朽化や複雑化」を挙げており、その理由として「人材不足」が考えられます。

日本では、Slerやベンダー企業にエンジニアが数多く所属しており、自社にノウハウがたまりにくいという状況です。

また、知見のある人間が転職や退職をしてしまい、ノウハウができたとしてもシステムについて分かる人がいなくなってしまっているケースもあります。

既存システムが複雑化していても、稼働して日々の業務に支障がなければ、このような問題は後回しになってしまいがちです。だからこそ、会社の課題として業務管理をしっかり取り組んでいく必要があると言えるでしょう。

3.DX時代に求められる業務管理とは

複雑なシステムを管理できるエンジニアが不足しているとお伝えしましたが、それと同時に業務管理全体を俯瞰してみることができる人材を確保することも重要です。

これからのDX時代に求められる業務管理とは、会社における「ヒト・モノ・カネ・ノウハウ」といった経営資源を適切にコントロールすることが求められます。

そのため、企業内の各部署で個別に処理されている業務を見えるように可視化させ、「一元管理」することが重要です。

ここで重要なのは、業務的なスキルもありながら、各部署を統括してまとめ上げることです。リーダーシップ、コミュニケーション能力に加え、経営陣の理解がなければ成功させることは難しいと言えます。

会社として業務管理を効率化させて行くために、具体的にどのような業務管理システムがあるのでしょうか?

4.業務管理システムは大きく分けると4種類

業務管理システムは、営業・販売・経理・人事の4つに分けることができます。

4-1.営業管理システム-顧客と営業マンの管理-

営業管理システムを使うと、営業活動の内容を詳細に報告し、どのような進捗状況でどの程度の売上の見込みがあるのかを組織全体で把握しやすくなります。

営業は担当者の経験やスキルによって属人的な業務になりがちです。営業管理システムを導入することで、個人に依存しない営業体制を構築することが可能になります。営業管理システムの中でさらに細分化させて管理できるものを分けてみると、

・売上管理

チーム全体で現在どれくらいの売上なのか、見込み確度S,A,B,Cなどで分けることができるので「あとどれくらい追えばよいか?」がすぐに分かるため戦略が立てやすくなります。

・顧客管理

どの顧客がどの商品をいくらで購入しているのかといった情報を管理します。営業担当者がその顧客について、どのような情報を持っているのかマネージャーからすれば把握しにくいといった問題があります。

例えば、特定の業種が3月に大量発注をしたとして、この情報が営業メンバーに共有されていれば、来年も同時期に発注を受ける可能性があるため、営業計画を立てるのに役立つでしょう。

・モチベーション行動管理

営業マンのモチベーションや行動を管理することも大切です。行動管理などしなくても成果がせているメンバーも中にはいますが、思い付きであったり衝動的なものであれば、再現性がなく、チームとしては正しい方向に行っているとは言えないでしょう。

4-2.経理管理システム-経営戦略を考えるうえで重要

続いて、経営戦略を考えるうえで重要な「経理管理システム」について紹介します。

経理管理システムは企業の会計を記録・処理するもので、帳簿類の電子化により、業務をスムーズに進める事が期待できます。

また、先ほど説明した営業管理・人事管理システムとの連携により、効率的な計上処理が可能になります。ソフトにはインストール型やクラウド型のパッケージがあり、特にクラウド型のシステムは、会計・経理業務に大きな変化をもたらすと期待されています。

経理をDX化させることで将来的に経理は不要になるのではないかという考えもありますが、経理は定量的な処理だけでなく、経営分析など人間にしかできない仕事も数多く含まれているため、なくなるというのは考えにくいのが現状です。

経理管理システムをうまく連携させることで、経営戦略を考えられるような経理を目指すとよいでしょう。

4-3.人事管理システム

人事管理システム

人事担当者も人材不足にあえいでおり、人材採用・勤怠管理・給与計算・人材教育など、人事担当者のリソース不足を補うような機能が求められています。

人事管理システムでできることは以下にまとめることができます。

・すべての人事データを一元管理
・人事評価を可視化させて公平性を保る
・説明会から選考状況を可視化させる
・雇用契約書の変更などの書類関係を一括管理
・給与計算などの煩雑なものをシンプルに行いたい

経理管理同様、固定業務となっているものをシンプルにし、人事担当者が考える時間にどれだけ割けるかが重要になってきます。

また、新型コロナウィルス感染対策において、日本経済団体連合会は「新型コロナウィルス感染予防対策ガイドライン」の中で、週休3日や時短勤務を推奨しており、働き方も大きく変わろうとしています。

このタイミングを機に人事管理システムを変え、従業員が働きやすい環境づくりをしていくとよいでしょう。

5.複数の管理システム一元管理する「RPA」

これまで営業・経理・人事などの管理システムを紹介してきましたが、RPAを使ってこれらの管理システムを一元管理させることで、会社が今どういう状況なのか把握しやすくなります。

RPAは、ロボットプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)の略で、個別に存在する管理システムのデータを一括で管理することができます。

エラーが起きたときなども通知してくれるなど、今注目されているサービスであります。RPAにもレベルがあり、さらに高度なものであればEPAやCAなどもあります。

EPAやCAなどは、AIを使うことで顧客のデータ管理や分析から、結果を出すところまで自動で行ってくれるので、RPAでは苦手としていた定性的な業務も任せることができます。

6.まとめ:「業務管理」に関するご相談を承ります

今回は、経産省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」から考える、業務管理の方法について紹介しました。

新型コロナウイルスの影響もあり、業務管理のあり方を変えようとしている企業が増えております。これを機に業務管理について改めて考えてみるのはいかがでしょうか?

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