総務部の完全テレワーク導入率1.6%!実現するために必要なこととは?
月刊総務が320人の総務担当者にテレワークの実態を調査したところ、「完全にリモートワークだった」と回答したのは、たったの1.6%でした。
また「ほとんど毎日出社していた」と回答した割合が25.3%もおり、新型コロナ対策のためのテレワーク実施とはほど遠い結果となってしまいました。
総務は「会社の縁の下の力持ち」として、オフィスの環境整備、株主総会の運営、社内規程の策定、契約書の管理などを担当しまが、どうしてこれらの業務はテレワークの実施が難しいのでしょうか?
今回は、総務がテレワークが難しいと思われる理由と実現するための方法を紹介します。
新型コロナウィルスの対策でテレワークを実施したものの、総務だけでなく、経理や人事など部署によって実施率が低いなどの悩みを持った方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.総務のテレワークを阻む3つの理由
なぜ総務担当者は出社しなければいけないのでしょうか?もっとも割合の多かった回答が「郵便物の対応(79.7%)」でした。
取引先によっては電子化が進んでおらず、郵便で送られてきた契約書類や請求書を各部署に振り分けるため、出社せざるを得ない状況なのではないでしょうか。
2つ目が「契約書等の押印(60.3%)」でした。契約書を確認し、印紙を貼り、押印、封筒を準備して、一部を先方に返送するという業務である。郵便物同様、取引先によっては、契約書が紙ベースであるため、自宅での作業が難しくなると思われます。
3つ目が「代表電話の対応(49.8%)」で、社内のほとんどがテレワークに移行する中、社内にいる人や総務部の社員が対応しているケースがあります。
少ない社員ですべての電話を取り次ぐことになると、電話の取次だけで多くの時間を割いてしまうため、日常の業務の妨げになってしまいます。
他にも「オフィス環境整備(48.6%)」「備品管理(35.9%)」などがありますが、共通しているのが「物」を管理している点です。
これらの「物」をテレワーク状況においてどのように管理していけばよいのでしょうか。総務のフルリモートを実現するために必要なことを紹介します。
2.総務のフルリモート実現のために必要なこと
総務がフルリモートを実現するために必要なことを3つ紹介します。
2-1.郵便物の転送
真っ先に思い浮かぶのは、郵便転送と郵便私書箱です。郵便転送は、引越しのためのサービスであり、1年間しか使えないため、法人では利用が難しいです。
郵便私書箱とは、受け取りたい郵便局の窓口で受け取ることができるサービスです。スタートアップのように少人数の会社で役員以上が郵便物を管理している会社におすすめです。
また、最近では郵便をクラウド上で管理できるサービスも出てきました。
使い方は、クラウド上に住所を発行し、その住所を取引先などに伝え、その住所に請求書などを送ってもらえばサービス提供者が、郵便物の確認を行ってくれます。
郵便物のデータが通知できて、お知らせなどの原本が必要ないものは、郵便物のスキャンを行ってデータで管理し、必要な物に関しては、サービス提供者が郵送します。
会社に郵便物の回収に伺うこともでき、住所を変えなくても郵便物の管理を任せることができます。
総務のテレワークを推進できるだけでなく、郵便物を回収するために複数拠点間を移動する移動経費なども削減できるため、情報の取り扱いには十分留意したうえで、一度試してみるのも良いかもしれません。
2-2.電子契約
電子契約とは、インターネット上で電子ファイルを交換して、電子印鑑や電子署名を施すことで契約を締結し、企業のサーバーやクラウドなどに電子データを保管しておく契約のことを言います。
JIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)によると、電子契約の普及率は、2020年1月の調査時点で、
すでにクラウドサインをはじめとする電子契約サービスの利用を「採用している」は 43.3%、「検討している」が27.5%と、7割近い企業が電子契約に関心があることが分かりました。
この調査は新型コロナウィルスの対策でテレワークの普及が加速する前の調査なので、今ではより多くの企業が電子契約に興味があると言えるでしょう。
続いて、書面契約と電子契約の違いを以下の表にまとめてみました。
あらゆる面で電子契約のほうが書面契約よりもメリットがあると言えるでしょう
2-2-1.フロー&スピード
書面契約ですと、原本を印刷して製本し、押印、切手を貼り、返送用封筒などを準備して返送するので、締結に1週間から2週間ほど時間を要します。
電子契約では、PDFなどでアップロードし、決裁者が電子印鑑や電子署名で確認し、通知メールで送り、取引先の確認を待つだけです。
最短で即日締結になる場合もありますし、どこで決裁が止まっているかの追跡も楽になります。決裁者は、出張中でも、パソコンやタブレットから確認できるのでとても楽です。
2-2-2.安全性
電子契約導入にあたって最も気を付けたいのがコンプライアンスなどの安全面です。書面での契約書を倉庫やキャビネットに保管すると、紛失などのリスクがあります。
日々の業務の中では多くの契約書類の受け渡しがあり、担当者が変わったりするとどこに保管してあるのか分からなくなったりします。災害などで倉庫やキャビネットが破壊され、保存していていた契約書類の内容が確認できなくなる可能性もあります。
一方、電子契約では、契約書を電子データとして一元管理することで、紛失・改ざんの可能性を少なくすることができます。電子署名であれば、PDFファイルを確認することで、改ざんの有無を誰でも簡単に確認することができます。
どれくらいの精度で確認できるかというと、送信者及び受信者が合意した日時(秒単位)や、締結後に書面内容に改ざんが行われたか、閲覧履歴などを事細かに確認することができます。
2-2-3.コスト
書面による契約の締結は、印紙代、郵送代、印刷費がかかります。加えて、その作業に携わる総務担当者の人件費、書類の保管費など、あらゆるコストが発生します。
電子契約の場合、収入印紙が不要になることに加えて、1契約につき500円以上のコスト削減ができると言われています。
例:人件費260円
※印刷、郵送、回収、保管を時給2,000の人が8分かけて行った場合の金額
郵送費140円
※郵送物が定形外郵便かつ100g以内の切手代
その他100円
※封筒・用紙・印刷・保管にかかる金額
参考:電子契約に移行するメリットとは?~働き方改革、税務、SDGs!?
さらには電子契約には収入印紙(印紙税)が原則不要で、請負契約では最大で60万円の印紙税がかかることもあるため、大きくコスト削減が見込める企業もあります。
2-3.電話の転送サービス
電話の転送サービスは2つあります。
1つ目は、会社宛の電話を携帯電話に着信させる方法で、従業員の携帯電話に専用のアプリをダウンロードさせ、取引先とやりとりする方法です。一見便利に見えますが、転送料金が上乗せされるため、頻度によっては転送経費がかさんでしまうかもれません。
2つ目が、クラウドPBXです。クラウドPBXとは、PBX(Private Branch eXchange:構内交換機)をクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うサービスです。
従業員保有の携帯電話を使って、社内、携帯、IP電話など場所を選ばずに電話環境を構築できます。工事依頼不要で、設定も簡単であるため、テレワークを行う上で便利です。
リモートワーク関連記事:【ピンチはチャンス】リモートワークで浮き彫りになる3つの課題と解決策
3.まとめ:総務のテレワーク導入支援を承ります
今回は、総務のテレワークの導入率と導入ハードルとなっている理由、実現のために必要なことを紹介しました。郵送物や電話の転送、電子契約の準備など、どれか一つずつやっていくのではなく、まとめて導入を行わないとテレワークの実現は難しいです。
日常の業務を行いながら、ツールなどの社内の承認も考慮すると、大変である場合が多いです。
HINODEの「neconote(ねこのて)」では、これまで有名スタートアップ含む300社以上に、テレワークなどのバックオフィス業務を代行から仕組化まで幅広くサポートしてきました。
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