間接業務のコスト削減、本当に可能?日本の改革遅れの理由と実践的な方法を解説
間接業務(バックオフィス業務)とは、営業やマーケティングなどの直接業務を支える業務のことを言います。具体的には、人事・総務・経理・法務などの職種が当てはまります。
間接業務は、直接利益を生み出さなくても、会社の縁の下の力持ち的な存在として、重要な役割を担っております。
しかし残念なことに日本では、間接業務を直接業務と同じくらい大事だと考えていない経営者も多数存在します。
利益をより大きくするためには「売上拡大」と「コスト削減」の2つあり、ついつい「売上拡大」の方に目がいってしまいがちです。コスト削減に十分取り組めていない会社もありますが、そのコスト削減のためのキーとなる部署が間接業務であると言えます。
今回は、「コスト削減」のテーマを中心に日本企業が間接業務の改革に遅れを取っている理由や、改革を行うための方法について紹介したいと思います。
目次
1.日本企業の間接業務(バックオフィス業務)が遅れている理由
日本企業が欧米の企業と比べ、間接業務の改革が進んでいない理由は大きく分けて3つあります。
1-1.間接業務の価値が理解されていない
「間接業務」と検索エンジンで調べると「いらない」「多すぎ」「邪魔」といったようなネガティブなワードが並びます。
なぜネガティブな印象を受けるのでしょうか?原因の1つに、間接業務が何をしているのか知られていないという人が多いということが挙げられます。
例えば、下記の図の通り「総務の仕事」は1つの業務だけをやっているわけではないので、わかりにくいのが実情です。
その結果「コスト削減」もどのような目的で行われているのか理解されにくく、売り上げを作る直接業務のほうが評価されるものだと感じる人が少なくないです。
1-2.間接業務(バックオフィス業務)の「プロ」が会社にいない
2つ目は「間接業務(バックオフィス業務)のプロが会社にいない」ことです。
例えば、欧米では、CPO(Chief Procurement Officer-最高調達責任者)といって、会社の購買・調達部門の責任者がおり、コスト削減を踏まえた購買業務が当たり前のように行われています。
しかし、日本ではコスト削減の部署を設置することはほとんどありません。購買業務は、スタートアップなどの少人数の会社であれば、営業マンが兼任しているケースもあり、通常の発注・処理などの通常業務で手一杯になっているケースが少なくありません。
1-3.コスト削減に対して評価の欠如
3つ目は「総務をはじめとする間接部門を評価する文化がないこと」です。多くの日本企業ではコスト削減の効果をしっかり検証する習慣がありません。
そのため、総務・経理担当者がコスト削減に成功しても「取り組み前と比較してどれくらいコストが下がったのか」が分かりづらく、適切に評価されないケースが多いです。
総務部は「なんでも屋」として、あらゆる業務に取り組んでいるため、普段の業務を行いながら、コスト削減への取り組むに相当な労力がかかります。
「社内での間接部門の立場が低い」「コスト削減のプロがいない環境」などと、コスト削減に注力するために業務を一から再構築するのが難しいというのが日本の現状です。
2.コスト削減で間接業務(バックオフィス業務)を改革するためのステップ
日本では、間接業務の改革は難しいという内容をお伝えましたが、決してできないことはありません。ここではコスト削減を例に、自社で行う間接業務の改革の3つのステップを紹介します。
2-1.コスト構成要素を分解する
まずはコストの要素を分解するところからはじめます。コストは、オフィスコスト、エネルギーコスト、オペレーションコストの3つに分けることができます。
オフィスコストは、印紙用紙やトナーなどの事務用品などのコストです。比較的簡単ですぐに結果が出るのが特徴です。
エネルギーコストは、水道やガス、電気のコストを言います。年間で支出される金額も大きいため、非常に重要なポイントです。
オペレーションコストは、主に物流費や人件費のことを言います。業務内容を見直して、無駄な業務を減らしたり、テレワークなどの新しい働き方を取り入れたりする必要があります。
会社によって、着手のしやすさなど異なるため、自社にあった構成要素から検討していくとよいでしょう。
2-2.施策の決定
2つ目のステップは、施策の決定です。各コストを構成要素に分解した上で、要素ごとに施策を洗い出します。ここでは施策の例を紹介します。
・ペーパーレス化で紙コストを削減
会議での資料などをペーパーレス化させ、タブレットやパソコンでの配布に切り替えることで、用紙代やインク代や電気料金を押さえます。
・法人の電気料金比較サービスで電気料金の削減
全国に600社ほどある電力料金の見積もりを比較サービスなどを使い、相見積もりを取って電力各社を比較する。料金が安い会社へ切り替えを行いコストカットを行います。
・テレワークの実施であらゆるコストを削減
テレワークは従業員目線でのメリットも多いですが、会社側のメリットも大きいです。会社側では、オフィスコスト、通勤手当などのコスト削減が可能です。またテレワーク導入により離職率が大幅に下がり、従業員満足度を向上させた会社もあります。
2-3.数値目標の設定
この段階にきて具体的な数値目標を決めていきます。やり方は大きく分けて2つあります。
1つ目は、施策ごとに効果を推定して積み上げて目標数値を決める方法です。電気料金、用紙代など、それぞれに「前年同月比マイナス10%削減」のような目標金額を決め、トータルでどこまで金額を減らすかを決めます。
2つ目は、同業他社などの水準を参考に目標を決める方法です。例えば、材料仕入れの単価が同じ規模である他社の水準まで、自社の調達単価水準がそろった場合の金額を試算し、目標金額を決めます。
3.間接業務(バックオフィス業務)の改革が難しいときは外部に頼るのも1つの手
ここまでは、自社で間接業務の改革を行うための方法を紹介してきましたが、アウトソーシングで外部に委託するのも方法の一つとして検討すると良いでしょう。
メリットとしては、給与計算や備品購入などの定型業務を委託することで、コア業務に集中することができます。空いた時間を使って、改革案を策定するのも良いでしょう。
また、社内に知識や経験がない場合は、外部の知見から学ぶことで業務の質が上がることもあります。代行だけでなく仕組化まで行ってくれるところもありますので、自社の課題にあった業者を選ぶとよいでしょう。
4.まとめ
今回は、日本の間接業務(バックオフィス業務)が遅れている理由から具体的な改革の仕方をご紹介しました。
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