経営管理部の役割と押さえておくべき3つの改革方法・改善ポイントとは?成功事例も紹介
経営管理部は企業内で経営を安定・向上する役割を果たす経理部等、間接部門の総称です。
経営管理の意味は、経営面で各業務を統括することで、経営管理の目的は、経営戦略の目標達成・向上です。
企業の経営においては、
・経営戦略:中長期的な経営戦略を立案する
・経営企画:経営戦略からマーケティング戦略等を立案・協業調査・業務の遂行にあたる
・経営管理:経営戦略の目標達成のために各業務の統括を行なう
というように役割を分けて取り組みます。
経営管理がなぜ必要かというと、ただ生産活動をするだけでは業績・経営の向上が困難だからです。経営戦略の目標を達成するには、様々な課題やリスクを解決し、組織を改革、業務を改善していかなければなりません。
そこで今回は、経営管理部の役割、業務改革の方法、業務改革のポイントについて解説します。
経営管理部の改革・業務改善を検討しておられる方には、neconoteがサポートいたしますので、ねこの戦略からお申し込みください。
目次
1.経営管理部とは?
経営管理部とは、企業内で間接的に利益貢献する間接部門の総称のことです。企業内の組織は、直接的に利益貢献する「直接部門」と、「間接部門」に分けられます。
直接部門で代表的なのが営業部です。営業部では、マーケティング戦略を活動計画にまとめ、直接外部と商談をして、契約を獲得し、売上を上げます。
製造部も同様に直接部門で、売上に直接つながる商材を、コスト・品質等も管理しながら生産します。間接部門で代表的なのは経理・財務です。経理・財務は、直接的に利益は出しませんが、会計・資金調達等で間接的に利益に貢献しています。
経営管理部は、経理・財務を始めとした間接部門(人事部・労務部・総務部・PR / IR・法務部・内部監査・経営企画部等)がまとまっている部署です。
1-2.経営管理部の各部門
経営管理部の各部門の主な業務内容は次のようなものです。
・経理部:会計業務
・財務部:収支の監督、資金繰り、投資分配の資料作成、決算書作成
・人事部:採用、人事制度構築
・労務部:労務管理、給与管理、福利厚生制度構築
・総務部:組織運営上の事務、備品管理
・PR / IR:PR/IR記事作成、メディア対応、投資家対応
・法務部:法務関連業務
・内部監査:社長直属による内部の監査
・経営企画部:経営戦略の企画・運用
各部門は専門分野が異なり、個々に専門の人材を配置します。
なかでも、経営企画部は、経営陣・経営管理部・事業部すべてに関わります。経営戦略を企画するには、財務や法務との連携も欠かせません。経営企画部が企画した戦略は経営陣で選定されて実行されます。
1-3.経営管理部での経理・会計・財務の関係
経理・会計・財務は一般的に区別されますが、経理は会計業務の一部といえます。経理は日常的な売上や仕入れ等の出納を管理する業務です。
会計は主に会社全体の収入・支出を記録・管理する業務です。場合によっては、業務に必要な設備・備品等の資産管理も行います。
財務の業務はこれらとは異なり、主に会社で使用する資金を長期的・経営戦略的な視野で管理します。また、銀行との融資交渉や資金調達、M&Aといった資産運用も管理します。これらの業務には経理が作成した貸借対照表や損益計算書等の事業計画資料を使用します。
2.経営管理部の業務改革の方法
経営管理部の役割を把握したところで、次は業務改革のために必要になる知識と能力、そして改革の方法、改革におけるツールの見直しについて見ていきましょう。
2-1.経営管理部に必要な知識と戦略総務的な能力・人材
経営管理部には各業務の専門知識や経験の他、情報収集・分析能力が求められます。
また、業務の効率化や社内の環境改善について「能動的」に提案する戦略総務的なコミュニケーション能力と、それを発揮できる人材も必要になります。
・会計の管理能力
会計の管理は、売上・原価・経費・在庫・キャッシュフロー等から経営成績を把握する能力が必要です。 会計等から正確な数字を割り出し、成果や達成度を把握し、改善に繋げる能力が求められます。
・人材の管理能力
人事部門では組織の人材を管理し、人事評価、採用選考、社内規則の策定等の能力が必要です。また、人事部門の管理職には従業員のモチベーションやタスクの管理・調整能力が必要になります。
・資産の管理能力
資産の管理では、商品・サービスや備品等有形の資産、知財(発明・技術)等無形の資産を扱います。主に総務部や財務部で、生産部門や開発部門と協力して資産を管理・調整する能力が求められます。
2-2.経営管理部の改革に評価指標を導入する方法
経営管理部としては、組織のビジョンや戦略の実現に向け支障となることを明確にし、改革する必要があります。改革する方法としては、まず、組織の戦略に沿った管理項目を可視化し、明確な評価指標(KPI)として定めることが重要です。
KPIの設定により、組織と個人の目標・利害を統一すれば、細かな指示がなくても、自ずと組織目標達成のために各自努力するようになります。
KPIを設定する際は、必要最小限の項目に絞って、過度な負担にならないようにしましょう。
KPIは営業部等の部門ごとに設定し、進捗や成果が見えたら、改善の施策を各部門で立案してもらいます。その施策をPDCAサイクルで実行し、工夫を繰り返し、成果が上がるようにしていくことが大切です。
2-3.適切に経営管理・改革するためにツールを見直す
経営管理部においては、将来に備えてIT化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の対応も改革に組み込みたいところです。ただ、経営方針等で業務が変わりやすく、人間の判断が多く必要なので、定型業務用のシステムが合わないことも多々あります。
経営管理業務は、「情報収集」「集計・加工」「報告」という3つのステップになっており、従来よりExcelを中心に運用されることも多く、ERP(基幹業務全般を担うシステム等)の対象外だと連携がとれません。
そこで、経営管理業務領域に特化した専用ツールも検討し、データ収集や集計・分析、レポート作成といった面倒な作業の軽減や、Excelと同等の使い易さも手にしたいところです。ツールについて詳しくは次の章で説明します。
3.経営管理部の業務改革のポイント
前章でご紹介した経営管理部の業務改革の方法について、ここでは改革のポイントとなる具体的なツールの導入等について詳しく解説していきます。
3-1.経営管理の改革に役立つERPやRPAツールを導入する
経営管理部の業務改革には、前の項で述べたように、各種会計データを集約できるツールとしてERPクラウドや、自動化に強いRPAツールが役立ちます。
・ERPクラウド
ERPクラウドとは、請求や人事労務等のデータを一元管理して、業務を大胆に効率化するソフトです。
また、判断材料となるデータや経営状況を可視化でき、次の経営戦略を練る効率も上がります。コスト面でも、インターネット上で利用するため、システムの初期投資等を大幅に削減できます。
・RPAツール
RPAツールとは、給与計算等の定型業務を模倣し自動化するツールで、ミスとコストの削減や業務プロセスの改善を可能にします。
これらのツールでデータを蓄積し、分析して課題を見つけると、効率的に業務を改善することができます。
3-2.経営活動を可視化するBIツールを導入する
経営管理を改革するためのツールとともに、経営活動やそのKPI(重点業績評価指標)の予実を可視化するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールも導入すると、改善の手を速く打つことができます。
BIツールでは、現在の実績はどうなっていて、各重点指標はどうなっているか、今後の結果はどうなりそうかが把握できます。速く把握することで、ただちに必要なリソースの調整や調達に着手することが可能になります。
また、このデータを関係するメンバーに共有しておくことで、メールなどでデータをまとめて配布する手間も省けます。そして、全員がリアルタイムに会社の状態を把握することも可能です。
このような機能を活かせば、成果の低い部分に集中しつつ、各部署とも全体的にスピードアップして経営を改善・改革していくことが可能になります。
3-3.BIツールで重点指標・成果をチェックし改善する
BIツールを利用すると、企業内の業績に関わる様々なデータを統合・分析して指標をもとにレポートに出力できます。そのレポートから組織内の問題を発見して取り組むと、改革・改善をスピーディに行えます。
経営管理のBIツールでチェックした指標のレポートに問題はなさそうに見えても、部門ごとの指標のレポートを見ると、特定部門の指標の悪化を発見することが多々あります。
したがって、経営管理部と同様に、各部門でもレポートで自部門の指標と予実を継続的にチェック・管理してもらうことが大切です。BIツールのレポートなら課題も見つけやすいので、問題がある場合はすぐに対策を打つようにしてもらいましょう。
このようにすばやく対策を打つようにしておくと、リスク・損失を最小限に抑えることができます。再発を防ぎ、改革・改善するのも効率良くなります。
4.まとめ:「経営管理部の改革」に関するご相談を承ります
今回は経営管理部の役割と業務改革の方法、改革のポイントについてお伝えしました。
経営管理部の業務改革には、会計・人材・資産の管理能力が求められ、いわば戦略総務的に業績の評価指標(KPI)を設定して分析・施策を打ち出すことが有効です。
また、会計データ等を統合・管理するERPクラウドや、自動化に強いRPAツールの導入も有効でしょう。加えて、評価指標(KPI)等により業績を分析・評価するBIツールを導入すれば、各部門の問題を早期発見し、リスクが小さいうちに対策して、損害を抑え、再発を防ぎ、改革・改善を速く進めることも可能になります。
HINODEの「neconote(ねこのて)」では、経営管理部をサポートするサービスをこれまで有名スタートアップ企業含む300社以上に、人事・総務・経理などの業務を代行・アウトソーシングから仕組化、構築後の引継ぎまで対応してきました。
・金額、スケジュール、今後のこと含めてどの会社に依頼していいか分からない
・そもそも人手不足で対応するのが難しい
・できるだけ無駄な投資は止めて、いろいろなパターンの提案が欲しい
そんな悩みを持った方は「neconote(ねこのて)」がお客様のチームの一員として驚異の速さで課題を解決します。業務改善でお悩みなら、ぜひ「ねこのバックオフィス」のHINODEにご相談ください。