BPRとBPOの違いは?具体的な進め方を解説!
BPRとBPOのようなアウトソーシングにはどのような違いがあるのでしょうか?
BPRは「業務改革」、BPO「業務改善」といった違いがありますが、実業務として生かすためにはこれらのアウトソーシングをどのように使い分けていけばよいのでしょうか?
今回は、会社役員や総務担当者向けにBPRとBPOの違い、BPRアウトソーシングの具体的なやり方についてお伝えします。すでにBPRやBPOのアウトソーシングを検討している方は、サービスページからご相談ください。
目次
1.BPRの実施状況は78%だが・・・
引用:株式会社日本能率協会コンサルティング「BPR(業務の抜本的改革)」に関する実態調査報告書
株式会社日本能率協会コンサルティングが行なった調査によると、2014年の時点で約78%がBPRについて取り組みを行ったことがあると回答しました。
引用:株式会社日本能率協会コンサルティング「BPR(業務の抜本的改革)」に関する実態調査報告書
また、会社規模別に見ると大手の方がBPRを行なっており、中堅企業のほうが実施率が低いという結果が出ました。
このデータから言えることは、大手企業の方が危機感として業務改善を行なっていることです。スタートアップや中小企業の方が人数が少なく、人が減ったときの影響は大きいものです。会社の規模は関係なくBPRを通じて業務を改善することが大切であると言えるでしょう。
重点的に業務改善が行なわれようとしている業務には何があるのでしょうか?
上記の結果によると「管理間接プロセス(24.1%)」「戦略策定プロセス(12.6%)」「生産プロセス(12.6%)」で約50%占められていました。最も割合の多い管理間接プロセスは、主にバックオフィス業務のことを指しており、今後改善項目としてすすめられるでしょう。
2021年の今では、新型コロナウイルスの影響で働き方改革を一気に進めようとしている会社も多く、今後BPRがより普及してくるでしょう。
2.BPRでは「業務改革」を目指す
BRPとは、Business Process Re-engineering の略で、業務改革のことを言います。もともとは、1990年代に、不況に見舞われたアメリカ企業が、大学教授や経営コンサルタントのアドバイスをもとに、売上向上のために考え出された経営手法の一つです。
日本では、1990年代にもBPRの導入が一部行なわれていましたが、当時は安易なリストラを推し進めてしまうなど、失敗した企業が多く、継続的な成果を上げた企業は少なかったようです。
「Re-engineering」の意味は、業務や組織の再構築で、既存の業務フローや組織を抜本的に改革することを目指します。BRPを理解する上で重要なのは以下、3つのキーワードです。
・根本的
なぜ今までこの方法で業務を進めてきたのか、なぜこの部署や業務は必要なのか、そういった根本的な物事を少しずつ見直していく
・劇的
根本的な改革を行うのであれば「劇的」な変化が伴います。大胆な改革になるため、できるだけ多くの人を巻き込み、説得する事が必要になってきます。
・過程
過程とは、顧客に対して価値のあるものをアウトプットする行動を言います。会社理念、クレドまで幅広く改革を行ない、関わる人すべてが最高の形で幸せになることを目指します。
昨今では、新型コロナウイルスの影響でテレワークを一気に進めようとしている会社が増え、働き方に大きな変化が起きようとしており、今までは業務改善が主流でしたが、テレワークなどの推進や働き方改革によって、IT戦略に基づくソリューションが用いられるようになってきています。
最後にBPRの事例を2つ紹介します。
・IBMクレジットでは審査時間の短縮に成功
現場の営業マンが顧客へ融資審査を行った結果、審査完了までに多くの人員が関与し、平均6日程度かかっていました。
BPRを通じて、審査のフローやITシステムを導入し、抜本的な業務改革を行なった結果、たった1人の担当者で審査が可能になり、時間も4時間になったいう驚きの結果が出ました。
・シックスシグマを採用して大幅なコスト削減に成功
製造業においてトップダウンからの脱却を図るために業務改革を行なうためにシックスシグマを導入しました。
業務改善のためのフレームワークを利用した無駄の排除を実現し、社員のモチベーション維持のための表彰制度や研修も行ない、年間数億円のコスト削減に成功しました。
3.BPOでは「業務改善」を目指す
BPOは、Business Process Outsourcing の略で、業務プロセス(企画・設計・実行)を一括してアウトソーシングして外部の委託することを言います。
BPOにはいくつかのやり方があり、給与計算や経理などの特定の業務のみを外部にアウトソーシングする場合もあれば、業務プロセスのすべてを一括して委託する場合もあります。
BPOでアウトソーシングするメリットとしては、コスト削減、業務スピードの向上、コア業務への集中、セキュリティ対策、外部ノウハウの習得などがあります。
また、近年は、オフショア開発の流れで、システム開発などの業務を海外企業や海外の現地法人にアウトソーシングする流れも出てきています。コスト削減には大きく貢献している一方で、コミュニケーションの相違や技術力不足による品質の低下が懸念されていますが、IT技術の進化で普及していくだろうと言われています。
4.BPRとBPOは「重視するもの」が違う
BPOは、主に業務にかかわる「人・物・情報」のいずれかを対象に無駄を省くことで効率化を目指します。一方でBPRは、業務のプロセスを「根本的に」解決し、商品企画、開発、製造、広告、営業、人事などを一連の流れの中で見直します。
これまでのBPOのような業務改善は、全体でなく部分的な改善をしていましたが、今では顧客や変化の速い市場を重視するため、抜本的な改革を行なうことが期待されています。
したがって、BPOはBPRに含まれるもので、適宜課題に合わせてアウトソーシングの手法を使い分けていくことが大切でしょう。
5.BPRの進め方~4STEP~
ここからはBPRの具体的な進め方について説明していきます。
1.業務分析と目的の明確化
まずは、今行っている業務をすべて洗い出し、自社の業務に優先順位を付けます。優先順位付けを行なうことで繰り返し行なわれいている「作業」は何のために行なわれるのか、考えるきっかけになります。
優先順位を行う際は、ABC分析やロジックツリー、バランススコアアカードなどを行なうとよいでしょう。これらを行なうことで、社員がそれぞれすべき改善点を把握することができ、経営陣は企業戦略に応じた改善策を考えやすくなります。
また、対象業務や範囲を明確にすることができるので、改革のポイントが把握しやすくなります。
2.BPR戦略の策定
分析結果や目的を決めたら、具体的な戦略や方針を策定します。改革を実行した後のシナリオを会社全員に周知し、その重要性を認識してもらいます。
BPRを決めるときは以下を意識するとよいでしょう。
・成果目標の段階的なKPI設定
・具体化と実行の手順
・推進体制や責任者
また、設定したシナリオがしっかり実行されるよう推進方法やルールの標準化を行なうべきです。無茶な目標を立てて、計画が倒れないように推進メンバーをしっかり決めて、実行に移していきましょう。
3.BPR戦略の実行
計画が作成できたら実行に移します。経営陣が社内への理解を浸透させながら改革を行います。社内では反発を持つ人もいるかもしれません。まずはスモールスタートで行い、調整事項があれば修正を繰り返しながら、制度を高めていきます。
4.モニタリング評価
ビジネスプロセスに問題はなかったか、問題があった場合に、どこにボトルネックがあるのか会社で確認しましょう。各部署や部門の問題点を共有することで、改善に生かします。スピード感を持った対応を行うことでよりよいBPRにしていきましょう。
6.まとめ:BPRアウトソーシングに関する相談を承ります
今回は、BPRとBPOについてお伝えしました。これからの総務担当者に求められることは、経営陣と社員をつなぐ架け橋になることです。
総務部の業務範囲を超えて、経営陣と社員がコミュニケーションをとるようなシャッフルランチを行なってもよいですし、ホラクラシー経営のためにツールを導入し、情報の透明化を図るのもよいでしょう。
とはいえ、普段の業務を行いながらBPRを行なうのは大変な会社が多いはずです。そんなときはアウトソーシングを使ってみるのも一つの手です。日乃出工業では、主に3つのソリューションを提供しています。
・BPRアウトソーシングによる業務の標準化
・オペレーション最適
・生産性を高める業務の種別・優先順位付け
これから戦略総務を目指す会社は、ぜひ日乃出工業にご相談ください。