BPOとアウトソーシング、どう使い分ける?違いを簡単に解説!
「BPO」と「アウトソーシング」という言葉を一度は聞いたことがある人が多いでしょう。どちらの言葉も業務を外部の受託者に依頼して、業務効率化を目指すことです。
しかしながら、両者には明確な違いがあり、それを理解しないまま委託してしまうと、思った通りの成果が出なかったり、コストが逆にかさんでしまうかもしれません。
今回の記事では、「BPO」と「アウトソーシング」の違いを紹介します。二つの違いを理解することで、課題に応じて適切な選択ができるようにしましょう。
目次
1.BPOとアウトソーシングの違いは「業務範囲」と「期間」
BPOとアウトソーシングの大きな違いは「業務範囲」と「期間」にあります。
1-1.業務範囲
アウトソーシングは、一時的に使う場合もあったり、業務範囲も部分的な委託が多いですが、BPOは中長期的な視点で「業務プロセス」を担います。業務プロセスとは、業務を一つ一つの点で見るのではなく、流れの中で中で捉えるということです。
例えば、経理の請求書発行を例にとると、顧客からの依頼→売上データの入力→請求書の発行→請求書の送付→保管といった一連のプロセスをBPOでは担います。アウトソーシングの場合は、請求書の発行のみを行なうといった一部分の対応となります。
したがって、BPOを利用した場合、受託者が業務の運営責任を持ち、経理担当の採用、経理担当の配置考案、業務指示、教育などを一連の流れの中で手がけるため、アウトソーシングに比べると業務範囲は広いと言えるでしょう。
1-2.期間
BPOの方がアウトソーシングに比べると業務範囲が広いため、期間もBPOの方が長くなりやすい傾向にあります。
BPOは、業務プロセスからサポートに入るため、数カ月単位から3年,5年などの中長期的な範囲で行なう傾向にあります。単に業務を代行するだけでなく、マニュアル化や組織体制の構築も行なう場合もあるため、時間がかかかります。
一方で、アウトソーシングの場合は一カ月などの短期間で委託できる場合もあります。
例えば、短期間でのアウトソーシングの利用例としては、全社的にフルリモート制を導入することになり、会社への電話を誰が出るのかと言った時に、オフィス移転の間だけ電話の代行を依頼する方法などがあります。
2.BPOとアウトソーシングをどう使い分ければよいか?
BPOとアウトソーシングの違いを踏まえた上でどう使い分けていけばよいのでしょうか?
2-1.BPOを利用すべきシーン
BPOは、部分的な依頼だけでなく、組織的な仕組化まで行えるため、新しく部署を立ち上げたりする場合に利用される傾向にあります。
また、アウトソーシングで新しいデータ管理などでシステムを開発の依頼を行なった場合、運用や保守をしないので、BPOを通じて開発から運用まで委託することで、業務の効率化を図る場合もあります。
さらに、業務に関する人材を集める時間もなく、研修などの人材育成もしなくてすむ特徴があります。
したがって、BPOを検討する場合は、単にコストを削減するのではなく、経営戦略の中の延長として考え、戦略をどうやって実現・加速させるかを考える際にBPOを検討すると良いでしょう。
アウトソーシングの場合、部分的な依頼になるため、スピード感がより重要となってきますが、BPOは仕組化まで行うため、時間をかけてじっくり、基盤を固めることが大切です。
2-2.アウトソーシングを利用すべきシーン
一方、アウトソーシングは短期間で、人手が足りないようなときに利用される傾向が高いです。
基本的には単発での依頼になり、依頼内容もBPOに比べるとシンプルであるため、比較的スタートするまでの時間が短いことなども特徴といえるでしょう。したがって、組織の中ですでに仕組みが出来上がっており、部分的に依頼をしたい場合におすすめです。
アウトソーシングには、テレアポ、カスタマーセンターの運営、経理や給与計算の事務処理、製品の製造、在庫管理などがありますが、自社の社員を本当に付加価値の高い仕事に集中させるために、どの業務を依頼するかが重要となってきます。
アウトソーシングは、外部に依頼する場合は、受託者に教える工数も考える必要が出てくるため、業務の依頼のしやすさなども併せて考えると良いでしょう。
3.BPO・アウトソーシングを導入するときの手順
BPOかアウトソーシングどちらを利用すべきかおおよそのイメージがついたら、導入手順も理解しましょう。
3-1.課題の明確化
一番最初にすべきことは、現在の「あるべき姿と現状とのギャップ(課題)」を明確にすることです。目的をしっかりもってBPOやアウトソーシングの導入を検討しなければ、予算や時間を投下しても、思うような成果が得られないかもしれません。
そのためにもまずは「やりたいこと」ではなく、具体的な数値でから導かれる「やるべき課題」を選ぶべきだと言えます。
そもそも課題解決とは、経営サイドや部署全体から見て、売上や利益などが目標に届いていないことが多く、重要度も緊急度が高い「やるべきこと」を課題として設定しましょう。
3-2.受託業者の選定
課題が明確になったら、内容に合わせてBPOやアウトソーシングを使い分けて業者を選定します。注意したいのは、ほとんどの委託業者はトライアル(お試し期間)を設定していない点です。
トライアル(お試し期間)があると、依頼に合わせて人員などの配置を変えるため、委託者が「やはり別な企業にお願いする」となると、赤字になってしまう可能性があるからです。
したがって、業者を選定する際は慎重に行ないましょう。選定時のポイントとしては「業務範囲」「コスト」「セキュリティ」の3つを意識すると良いでしょう。
3-2-1.業務範囲
まずは、「業務範囲」がどこまでやってもらえるかは知っておくべきポイントでしょう。単なる代行ではなくマニュアル作成や仕組化まで依頼したいのに、できないのであれば再度、受託業者を変更せざるを得ない状況になってしまいます。
3-2-2.コスト
業務範囲が決まれば、おおよその「コスト」が分かります。外部に委託する理由として「コスト削減」を期待する企業が多いため、各社から見積もりを取ってもらい、損益のシミュレーションを行ないましょう。
シミュレーションを行なうときは、トータルコストだけでなく、内訳にも目を通し、どこにどのようなコストが発生しているのかも確認するようにしましょう。「安さ」を売りにしている企業は、どこかの工程をカットしている可能性があるので注意が必要です。
3-2-3.セキュリティ
また、価格の安い企業は「セキュリティ」の面も注意して確認する必要があります。顧客情報が漏洩すれば損害賠償のような話になってしまいます。そのためにもどのようなセキュリティシステムを導入しているのか、書類の保管方法なども聞いておくと良いでしょう。
3-3.スモールスタートで始める
業者の選定が終わればいよいよサービスの開始ですが、業務内容によっては「関わる人が多い」「設備の設計が大変」「処理が複雑」などの問題が発生するものもあり、事前に予測することが難しい場合もあります。
したがって、まずはすぐに外部に依頼できる業務を対象として、スモールスタートで始めるのが良いでしょう。受託者の対応の仕方、習熟度、効果検証を行いながら、すこしずつ対象業務を広げていきましょう。
スモールスタートで要領が分かり、安全性が確認出来たら、業務範囲を広げていき、より一層の導入効果を高めます。大きく伸ばすコツとしては、導入目的の拡大で、コストカットの次は業務効率化、仕組化などの他の目的を取り組んでいくことにより範囲を拡大していきましょう。
さらには、対象取引先を拡大させたり、カスタマイズを増やし、できることを増やしていくと良いでしょう。
4.まとめ:「BPO」や「アウトソーシング」に関するご相談を承ります
今回は、BPOとアウトソーシング違いを紹介しました。BPOかアウトソーシングのどちらを利用すべきかのポイントは、自社の課題を把握することが最も重要です。
課題が明確にならなければ、業務範囲が定まらないですし、本来の目的であるコスト削減につながらなくなってしまう可能性があります。
また、業者によってはきちんとヒアリングを行なわないままスタートする可能性もあるため、選定する際は、ヒアリングの段階でコミュニケーションがしっかり取れるかなども確認すると良いでしょう。
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